人格障害・DV(家庭内暴力)

あらゆるDV問題に例外なく巣食う「共依存」の闇

過日、とあるテレビ番組で、漫画家の西原理恵子氏が、元夫である写真家の故・鴨志田穣氏との離婚が、彼のアルコール依存症による家庭内暴力であったこと、その暴力に身の危険を感じ、子供たちとともに家を出て離婚を決意するまでを、赤裸々に告白していた。

細かいその経緯はひとまず割愛するが、この中で、アルコール依存症を抱え、恒常的に暴力を振るう家族とどう向き合うべきか、まさに本質といえる発言があり、少々長くなるが、大まかな発言を引用する。

「彼は、アルコール依存症という、れっきとした病気だったのです。
アルコール依存症の人は、世間では、単に酒に溺れているだらしない人だとか、甘えているだけ、という偏見で見られがちですが、間違いなく、立派な病気なのです。病気だから、専門家のもとで正しい治療をしなければならない。本人や家族を含めて、素人が何とかしようとしてはいけない。

私は、ここを完全に間違っていた。
一緒に住んで、支えることで何とかしようとしていました。でも、これは間違った対処なのです。結局、一緒にいることで、家族は暴れた後始末をしてしまうし、それでは、本人も自分のやっていることをいつまで経っても自覚できない。消極的であっても暴力行為を肯定し、むしろ加担してしまっているのです。
暴力が早晩子供たちに向かうと思ったし決断しなければなりませんでした。

本人を一人にして、自分のしていることや置かれた状況を自覚させ、後の対応は専門家にすべて任せる。お酒さえ入らなければいい人だから、といって離れられないのは偽りの愛情なのです。一生、本人も家族も地獄のままですから」
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家庭内暴力(DV)の背景に横たわる「病理」を把握せぬ限り、根本解決は望めない

DV(=Domestic Violence)が、昨今メディアを中心に、その言葉の本来の定義を離れて軽々しく多用されるようになった背景は、ニート・ひきこもりのそれとまったく同じであろう。マスメディアを中心に、主に情報を発信する側が、その語句定義をきちんと認識せぬまま、世間に「流行らせる」ことに腐心し、ごく一部のケースだけを一般化し、予め「持っていきたい結論」とまじえ、語句を恣意的に独り歩きさせる――。

世の何事も、その詳しい実態や背景は、その中で特に関心を持つ人々が能動的に情報を得ようとしなければつかみにくい、といった側面は多分にあるにせよ、発信するメディア側の、こうした軽薄といってもいい安直さは、謙虚に振り返らなければならないであろう。もちろん筆者も、関連したテーマの末席を汚すメディア側として正確な情報発信への努力が足りなかったことは否めず、率直に反省する所である。

DV=配偶者やパートナー、恋人への肉体的・精神的暴力というように対象が限定されているかのような昨今のミスリードも、根本から正される必要がある。
それは単に「語句定義」といった次元に留まらず実質的な内容も含め、親子の相互や、その他すべてを含み、あくまで「同居内暴力」という括りで認識されるべきものなのだ。

よって、当事者同士の間柄や、それら独自の特徴はいったん横に置き、筆者は改めてDVを「家庭内における暴力関係全般」と定義し直すとともに、恒常的な加害・被害の相互関係という、暴力で結ばれた「共依存」の闇についてもメディアにおいてあまりに周知されていないことから、本稿ではそこを中心に触れておく。
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記者をしています。

1975年1月北海道札幌市出身。
大卒就職活動時アナウンサーを志しながら在京局などの最終面接で至らず、その後神戸新聞社入社(非記者)。退社後、札幌でFMラジオ帯番組や雑誌編集などを経て2005年よりフリーとして現職。

ニート、ひきこもり、発達障害、DV、虐待、自殺、介護、貧困などメンタル&社会福祉事象全般、付随する教育、労働行政、社会の少数派などが重点取り扱いテーマ。アジア社会文化事情、航空旅客ホテルなども関心が強いです。

スキー(オフピステ)、野営、水辺、筋トレ、カレー&アジアン料理&焼肉が大好き、寒暑&朝夜どちらもOK、どこでもすぐ寝られて飲んで食べることに至福を感じる人好きです。

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